父が亡くなって十年たつ。あの時、残された書類を前にして、私はただ「知らないことが多すぎる」と思った。どこに何があるのか。誰に連絡したらいいのか。聞いておけばよかったことが、部屋のあちこちから出てきた。
それから私は、年に一度だけエンディングノートを開いている。立派な遺言書ではない。連絡してほしい人、保険や口座のこと、今の部屋で気に入っているもの、処分してほしくないもの。書けるところだけを書いている。
年に一度、書いたことを確かめる

最初の年は、住所と連絡先だけで終わった。それでも翌年に開くと、連絡先が変わっていたり、会いたい人の名前が増えていたりした。
恋人がいる年もあった。ひとりが落ち着く年もあった。実家のことが気になり出した年もあった。去年と同じつもりでいても、読み返すと書き直したいところが出てくる。
空欄があっても、来年また開けばいい
連絡先と保管場所、それから気になることを少し。今日はそこまで書いて閉じてもいい。空欄が残っていても、提出日があるノートではないのだから。来年の私にも、少し仕事を残しておこう。
項目があるほうが書きやすければ、コクヨの「もしもの時に役立つノート」などもある。連絡先、口座や保険、医療・介護、葬儀など、書く場所が分かれている。何から書こうかと迷う時の参考になる。

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コクヨ エンディングノート〈もしもの時に役立つノート〉
日本製のB5サイズです。
遺言書が必要なことは、別に考える
エンディングノートは、遺言書のような法的効力を持つものではない。だから私は、正確に決めなければならないことと、ただ残しておきたい気持ちを、同じノートに無理に入れないようにしている。
財産の分け方や遺言書のことは、必要に応じて法務局や専門家へ。ノートには、連絡先や保管場所、それから残しておきたいことを書いている。
来年の私が読んだら、「これは変わったのよね」と書き直すところもあるだろう。会いたい人も、残しておきたいものも。エンディングノートだけれど、まだしばらく改訂版が続きそう。
